焼肉太郎ブログ

焼肉とニュースについての備忘録

築地市場の豊洲移転①豪腕とドン

築地市場豊洲移転」について小池新都知事は「悪しき利権が絡むので、いったん立ち止まって考える」と話しているようです。それでは一体どのような利権が絡んでいるのでしょうか?これまでの経緯を振り返ると、魑魅魍魎が蠢動してきた「パンドラの箱」であることがわかると思います。

 

不動産・建設業界が待望していた大型再開発「築地市場豊洲移転」は、小池都知事の仮想敵と目とされている「都議会のドン」内田茂都議の利権であるかのように巷間言われていますが、そもそもは石原慎太郎知事(当時)の側近中の側近で、2001年に副知事として都庁にやってきた浜渦武生の利権だったといわれています。「浜渦利権」ということは、つまり「石原利権」ということです。

 

『議会与党の自民党公明党は、長く都政に利権の足場を築いてきた。その秩序を崩しにかかってきたのが豪腕の浜渦。石原の虎の威を借り、都市再生・大規模開発などの業者選定に絶大な影響力を持っていた。』(都議会関係者)

 

代表的な「浜渦利権」の1つが「大手町再開発プロジェクト」です。国有地を戦略的に活用して都市再生を図る政府のビッグプロジェクトで、その初期から都市整備局と組んで手がけてきました。

 

しかし、大手町は千代田区選出の都議である内田のお膝下。当然、内田は利権に食い込むべく浜渦に働きかけを行ったといいます。

 

『内田と千代田区長・石川が浜渦に『事業計画に千代田区も加わり、都と区と都市開発機構で調整したい』と申し入れたことがあったが、浜渦は蹴った。』(都議会関係者)

 

「大手町再開発プロジェクト」をめぐる両者の対立が伏線となり、2005年には「やらせ質問」問題に発展します。内田が主導して自公が百条委員会を設置すると、議会の空転を恐れた石原は「泣いて馬謖を斬る以上に大事な人材」との言葉を残して、浜渦を事実上更迭したのです。

 

『あの石原を屈服させたことで内田は名実ともに「都議会のドン」になった』(都議会関係者)

 

浜渦から「大手町再開発プロジェクト」の主導権を奪った内田でしたが、「築地移転」については引き続き浜渦に調整を任せたといいます。石原は長男・伸晃を都連会長に人質として差し出し、内田はお目付役として幹事長になりました。こうした巧みな利権分配を武器に「都議会のドン」として君臨してきたのでしょう。

 

次回へ続く